男どもの座談会
――某月某日某所。
一同「…………」
――二十分経過。
ダルム「……ええっと、とりあえず自己紹介でもしましょうか。オレはダルム・シュタート。何でも屋をしてます」
ルーヴィス「オレはルーヴィス・ハーウェン。こいつに仕事の斡旋を行ってる」
ティレニア「オレはティレニアだ。〈スルーズ〉所属の傭兵。で、こっちは」
アカツキ「……アカツキだ」
ティレニア「同じく〈スルーズ〉所属の傭兵」
一同「…………」
ダルム「……あ、えっと、もしかしなくても、ティレニアさんとアカツキさ」
ティレニア「あ、呼び捨てでいいから」
ダルム「……はい。で、お二人も、あの人に呼び出されたんですか?」
ティレニア「うん。そ。……って、お前らも?」
ダルム「はい。……何か話、聞いてます? オレたち、『此処に来い』って言われただけで、その他は何も聞いてないんですよ」
ティレニア「こっちも同じ。急に場所書いた紙切れ渡されてさ。何が何だか……、?」
SE ひらり……シュパッ
ダルム「速っ!」
ルーヴィス「へぇ。良い目と反射神経してるじゃねえか」
アカツキ「…………」
ルーヴィス「……無視?」
ティレニア「悪い。こいつ元々こういう奴なんだ。あまり気にしないでくれ。……で、それ何?」
アカツキ「……あいつから(掴んだ紙をティレニアに渡す)」
ティレニア「あいつから……?」
一同「…………(ティレニアの持った紙を覗き込む)」
『バレンタインについて四人で楽しく雑談して下さい。以上』
一同「…………」
ルーヴィス「あの野郎……もしかしなくてもこれだけの為に、オレたち四人集めたのか?」
ティレニア「そうとしか考えられないだろ、これは。……どうしたダルム?」
アカツキ「……?」
ダルム「バ、ババババ、バレン……バレンタイン……」
ルーヴィス「ああ。(ダルムの頭をぽん、と叩き)気にしないでくれ。こいつの今年のバレンタインが、ちょっといつも以上に刺激的だっただけだから」
ティレニア「刺げ……大丈夫なのか? 物凄く顔色悪いぞ? 一体何があったらこんな」
シロガネ〈聞かない方が良い。と言うか聞くな。これ以上鮮明に思い出すとダルムが死ぬ〉
アカツキ「!?(咄嗟にノルンを握り、腰を浮かす)」
ルーヴィス「ああ、悪い。驚かせたな。この声はシロガネ……ダルムに憑いてる精霊だ」
ティレニア「精霊……?」
ルーヴィス「まあ、何だ……幽霊みたいなもんだよ。大丈夫。害はないから」
ティレニア「へえ、そんなものがいるんだな」
アカツキ「…………」
ダルム「バ……バレン……タイン……」
ルーヴィス「……仕方ねえな。ダルム抜きでやるしかないか。……つっても、何を話せばいいんだ?」
ティレニア「そうだな……ここはまず童心に返って、貰ったチョコの数でも競ってみるか」
ルーヴィス「なるほど。そういうのもありだな。……悪いが、オレは負けないぜ?(ニヤリと不敵な笑みを浮かべティレニアを見る)」
ティレニア「へえ……自信満々じゃねえか。だが悪いな。オレも負ける気はしないんだ。全然(フッと笑って目の端でルーヴィスを見る)」
SE バチバチバチバチバチッ
ルーヴィス「言わなくても分かってるとは思うが、お母さんからとか、家族からのはカウントしないからな」
ティレニア「勿論分かってるよ。……オレは家族いないから、わざわざそんなこと言ってくれなくても良かったんだけどね」
ルーヴィス「……何だ、条件は一緒か」
ティレニア「安心したか? まあ、もしいてもオレはカウントしないがな。……で、どっちからいく?」
ルーヴィス「手っ取り早くコインで決めよう(ポケットからコインを取り出す)」
ティレニア「異議なし」
SE ピーン……パシッ
ルーヴィス「裏」
ティレニア「表」
ルーヴィス「(コインから手を退ける)……裏……オレからだな。オレは、百七十五個だ」
ティレニア「すんなり数字が出てくるところが怪しいな。さば読んでないか?」
ルーヴィス「読んでねえよ。後でお返ししてやらなくちゃならないし……何より、女の子の思いは大切にしてやらないと。オレは、誰がどのチョコをくれたのかも覚えてる」
ティレニア「なるほどな。確かにそうだ。じゃあ、次はオレだが……」
アカツキ「オレは三十六個だ」
ルーヴィス「な……っ!? マ、マジか? オレはてっきり……」
ティレニア「いや待てアカツキ。それオレがあげたのだろ。ノーカンだ。お前は〇だ」
ルーヴィス「……そ、そうだよな。そういう落ちだよな」
アカツキ「…………」
ルーヴィス「で、あんたはどうなんだ? ティレニア」
ティレニア「ああ、そうだったな。実はそれなんだが……オレも百七十五個なんだ」
ルーヴィス「……さば読んでないか?」
ティレニア「残念なことに読んでない。事実だ」
ルーヴィス「ちっ同数か……まあ、あんたなら仕方ないかな」
ティレニア「同意見だ。(ダルムに聞こえないようにルーヴィスに耳打ちで)……ところで、ダルムはどれくらい貰ったんだ?」
ルーヴィス「さあ。二十そこそこ……まあ、よくて三十ちょっとぐらいじゃねえの?」
ティレニア「……将来有望だな」
ルーヴィス「そうか? ……でもあいつ、女の子にそこまで興味ないから駄目だろ。……ああ、あと、チョコの形した違うものなら今年は二つ貰ってたな。いつもは一つだったんだが……」
アカツキ「違うもの?」
ダルム「バ……バレン、タイ……バレン……バレ……嫌……あぁああ……あああああああああああああああああああっ!!」
END
あとがき
どうも。石田美咲兎です。
ぶっちゃけます。
これがやりたくて決戦前夜を書きました。
御免ダルム。私は鬼だ。
ティレニアとルーヴィスの独壇場ですね。二人ですが。
バレンタインは彼らの為のイベントだと思います。
しかし、実は彼らの貰ったチョコの数で少し迷いました。
百七十五個というのは果たして多いのか少ないのか……?
仮にある一つの学校の女子生徒全員からチョコを貰ったら、単純計算で二百七十くらいになるんです。
彼らは町中の女の人口説いてるような奴らだから、こんな数でいいんだろうか……?
でも考えても詮無いことなので、百七十五個にしました。
実際はホストさんとか、学園のアイドルとかって、どのくらいの数貰うんでしょうね。芸能人なんかは全国のファンから送られてくるので、全く比じゃないんでしょうが……。
そして今回、書いていてひしひしと寂しいと思ってしまったのが、アカツキのポジション。
バレンタインに全く縁のない彼にとっては、とても辛い座談会になってしまいました。
まあ、彼の性格のせいもありますが……。
さて。
次は、次こそは、是非是非S.K.Y.3でお逢いしたいですね。
期待形? そこは突っ込んじゃいけませんよ。
それでは、また。
2007,2,26(Mon) 石田美咲兎